今でこそ俺はPCの画面に向かってAIだのWeb自動化だのと言ってる引きこもりなんだけど、「じゃあ物理(リアル)の自動化の最先端って今どうなってるんだ?」という興味本位から、世界最大級の食品製造総合展「FOOMA JAPAN 2026(東京ビッグサイト)」に潜入してきた。
結論から言うと、「もう人間が手でメシを作る時代は完全に終わった」。
連日ニュースで「飲食業界の人手不足が深刻〜!」とか叫ばれてるけど、あれ半分嘘。現場にはもう、人間を生産ラインから排除するためのバケモノみたいなソリューションが100%完成していた。
ということで今回は、FOOMA2026の会場の熱気と、個人的に「これヤバすぎだろ」と脳汁が出たブースの写真と感想を共有したい。

会場のスローガンはすべて「省人化」
ビッグサイトの広大な会場を歩き回って気づいたのは、どのブースの看板にも親の顔より見たレベルで「省人化」「自動化」「手直しレス」というワードが踊っていることなんだ。
昔の食品機械展なら「より美味しく!」とか「素材の味を活かす!」みたいな情緒的なキャッチコピーがあったはずなのに、2026年の今は完全に「いかに人間をクビにするか(あるいは雇わずに済ますか)」の一点突破。清々しいほどの資本主義のリアルがそこにあった。

【肉の巨星】なんつね(nantsune)の圧倒的熱気
まず足を止めたのが、食肉スライサーや加工機械の超老舗「なんつね(nantsune)」。
写真を見てもらえればわかると思うけど、白シャツのサラリーマンが群がりすぎてて完全に正月の福袋売り場状態。 みんな目がマジ。
頭上の巨大モニターにデカデカと映し出される「製造指導・機器導入まで」の文字と、ひたすら同じ太さ・同じ長さで爆速で錬成されていくソーセージの映像。 昔は頑固一徹な職人が「これが手作りの味…!」とか言って腸詰めしていた工程が、完全に1ミリの狂いもない工業製品として吐き出されていく。
スライサーにしてもそう。肉の塊を放り込んだら、グラム単位で寸分狂わず超高速スライスされて出てくる。もうスーパーのバックヤードでパートのおばちゃんが指を切る心配をしながら肉を並べる時代じゃない。
機械を買う金さえあれば、「文句を言わない、シフトをすっぽかさない、衛生基準を100%守る熟練の精肉職人」が明日から24時間タダで働いてくれるのと同じ。そりゃ白シャツの群れも血眼になる。

【不二精機】寿司職人の尊厳を破壊するマキズシマシン
次がこれ。「マキズシ(MAKIZUSHI)」のサイバー感あふれるネオンサインが眩しい不二精機のブース。
壁に書かれたコンセプトは、『細〜極太巻き・裏巻きの連続生産提案』。
もうね、言葉の響きが完全に「トヨタのプリウスの生産ライン」のそれなのよ。寿司に対して使っていいボキャブラリーじゃない。
右上のモニター画面を見てほしい。「カット数:22」「巻きスピード:8」みたいなパラメーターをタッチパネルでポチポチするだけで、海苔が敷かれ、シャリが爆速で広がり、具材が巻かれ、一瞬で綺麗な巻き寿司が大量にボトボトと出力されていく。
「飯炊き3年、握り8年」とかいう寿司業界の美しい精神論カルチャー、このマシンの前ではただのタイムロス。 回転寿司のシャリ玉マシーンは知ってたけど、カリフォルニアロールみたいな裏巻きから極太の恵方巻まで全自動化されたら、もう人間が勝てる要素が「握った人の温かみ(という名の衛生リスク)」しか残されていない。無慈悲すぎる。

【不二精機】最後の聖域「弁当の盛り付け」すら陥落
同じく不二精機のブースからもう一個。個人的に今回一番絶望(感動)したのがこれ。『弁当盛り付けの自動化提案』。
コンビニ弁当の製造工場って、最後にベルトコンベアの脇に人間がズラッと並んで、唐揚げとかポテサラを決められた仕切りに延々と手作業で配置していく「現代のカイジの地下労働」みたいな光景がデフォだったはずなんだ。
それが遂にアームロボットに置き換わった。キャッチコピーは「省人化&手直しレスを実現(2000食/時)」。時速2000食て。
さらに左下のパネルにさらっとエグいことが書いてある。 『丸・四角の形状だけでなく、発泡・紙素材にも対応可能』
つまり、「容器がちょっとフニャッとしてようが、コンベアの上でミリ単位でズレてようが、カメラとセンサーが勝手に補正して真ん中にメシをブチ込んでくれる」ということ。これによって深夜の弁当工場から完全に「人間の手」という概念が消え去る。
「人手不足」の正体は「初期投資不足」
今回FOOMAを歩き回って確信した。
世間で言われている「人手不足で店が回らない、倒産する」っていうニュースの正体は、正確には「こういう数千万するバケモノ機械を一括(あるいはリース)でブチ込める『資本力』がない企業から順番にすり潰されている」だけの話なんだ。
昔のビジネスの正解は「安い労働力をかき集めて気合で回す」だった。 でも今の正解は「最初に多額の初期投資をして、人間をゼロにする」に完全にシフトした。
これは俺たちがやってるブログとかWeb制作、動画編集みたいな個人ビジネスも全く同じ。 AIとか自動化ツールという名の「デジタルのFOOMA機械」に真っ先に投資して自分の手作業を排除したやつと、未だに手動でWordpressの入稿をポチポチやってるやつの格差はこれからもっと開く。
資本主義のルールはいつだってシンプルで、「仕組みを作った側」と「仕組みに投資した側」だけが笑う。
せめて俺たちは、すり潰される側の肉ではなく、スライサーの電源を入れる側のポジションにしがみつかないといけない、と強く誓った1日だった。現場からは以上です。
FOOMA 2026に行って学んだこと
-
「省人化」はもう企業の目標ではなく、ただの「インフラ」
-
人間の手作業は今後「超高級品」か「ただの思考停止」に二極化する
-
白シャツのサラリーマンが異常発生しているブースには時代の答えがある
-
不二精機のブースは見てるだけで脳汁が出る
